あまり知られていない農協の主な収益は農家のローンだということ

農協というのを知らない人はいないでしょう。農業に関係する色々な助けをしてくれる団体、農家が頼りにしている団体というふうに言えると思いますが、この農協というのは実はあまり儲かっていないというのをご存知でしょうか。農協というのは農家と一心同体とも言えますから、農家が儲かっていなければ農協はなかなか儲けをあげることが出来ないのです。それでもなんとか利益を出さなければならないと思い、考えだしたのが金融商品なのです。今や農協の収益の大半はこの金融商品に寄るものといえるでしょう。

具体的には農家の借入やローンが主体になっています。農家は畑を整地したり、苗を購入したり、様々な所でお金が必要になってきます。そういう時に事業融資をするのがひとつ、そして個人での貸出、いわゆる消費者金融のフリーローンのようなことをしているのです。加えて重機などの大きな買い物をするときにもリースやローンで購入できるように貸出をしています。そうやって農家に借金をさせることによって儲けているとも言えるのです。

農家側としては他にもいろいろな借入の手段があります。それこそ一般の人と同様に銀行から借りる事も出来れば、カードローンを使うこともできます。商工ローンなどにお願いするという方法もありますが、農家は農協からの借入を主体的に選ぶのです。なぜならば農協は農家の作った野菜を販売する中間ルートを持っているため、もし他の金融業者を利用した場合に、この農作物を販売するという点で不利な状況に追いやられる可能性があるからです。具体的に言えば、安く買い取ったり買い取る量を減らすなどする可能性があるのです。だから農家は借入の手段は他にあると言えども、あえて農協から借りるという関係になっているのです。

はっきり言えばこのような関係は大企業と下請け企業の関係に似ており、非常に問題があると思いますが、今でも農協と農家の関係を改善しようという意見はあまり出てきていません。出てきたとしてもそれが採用されることはありません。おそらく、今後10年はこのままの状況が続くでしょうから、農家は大変だと思いますよ。

閉じる